剣岳 源次郎尾根(1985年8月)

投稿日: 1985年8月14日 | カテゴリ:『登山』>北アルプス

剣沢にキャンプを張って日帰りで源次郎尾根をアタックした記録です。

1985年
8月14日
  6:30 剣沢
  7:00 取付き点
  9:30 コル
  10:30 一峰の頭
  11:30 二峰の頭
  13:30 剣岳主峰
  17:00 剣沢

8月14日
取付点は剣沢を下り平蔵谷の右尾根にはっきりした踏み跡があるのですぐにわかる。この尾根の右のルンゼ末端からも取り付けるらしい。少し登るとルンゼに行き当たりその先は滝状になって乗り越すのが難しい(後で聞いたことによると、一箇所だけアブミをかければなんとか乗り越せるそうだ)。左の尾根よりに逃げてハイ松の間の明瞭な踏み跡を辿る。途中でルンゼに戻りガラ場を登る。岩というよりもガレ場の急登であって浮石に神経を使う。

少し行くとスラブ状の棚に行き着くが、これは20m位の高さである。中央を突破しようと登りだした。ホールド、スタンスはかなり細かいが、上部までなんとか登れた。しかし、上部はスラブ状でホールド、スタンスに乏しい。おまけに濡れている。確保がなければ危険であると思ったので苦労して下りる。右のチョックストーンの石の詰まったところを乗り越えようとしたが一箇所足のフリクションが効かない所があってダメ。左のハイ松を押し分けて登ろうとしたがダメ。非常に体力を消耗。再び右にルートを取ってフリクションの効かない大石のところをアイスバイルのピックを差込み、カラビナとシュリンゲをセットし、それを手がかりに乗り越えた。しかし、ピックがはずれたら大事になると思ってひやひやしていた。この棚にずいぶん時間と体力を消費してしまった。

再びガラ場の急登。時間をかなりとられたと思ったので少々ピッチを上げる。落石を起こさないようにとそればかり注意していたら、突然人の声がして支稜に飛び出した。先を行った2人のパーティに追いついた。一人が「先に行きます」と聞いてきた。ここまで2時間半かかって大分消耗しているみたいだ。彼らは1時間と踏んでいたようだ。予定では二峰の「A B Face」の連続登攀を織り込んでいたらしい。僕がガイドブックで確認し、一峰まで4時間、主峰まで2時間ということを告げると、なんとか先を続けることに決めたらしい。これ以降はこの2人のすぐ後を進む。

ルートははっきりしているが2、3箇所難しい登りがある。高度感がないので上半身の力を使って強引にずり上がる。僕はこのような登攀がどうも得意なようだ。3点支持のバランス・クライミングにはまだ難がある。しかし、数メールであれば3、4級程度の岩場は乗り越せる見通しがついた。二峰の登りにも数箇所難しい所がある。神経的には勿論マイッタが体力的にはまだ余裕があった。食べながらゆっくりしたペースが良かったのであろう。

Ab Seilen(懸垂下降)は2人のザイルに乗せてもらって難なく下りた。支点が2、3m下にあったがそれほど不安に感じることはなかった。丹沢での練習が功を奏したのであろう。しかし、20mもザイルが下がるとその伸びがかなりなものになる。これについては少々驚いた。

一級程度の岩陵歩きではあったが、それが長距離に及んだこと、また様々なグレードや岩の形状に出会ったことからオールラウンドな訓練となった、と思う。


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