『米国経済白書 2009』「第3章 エネルギーと環境」の補足説明

投稿日: 2009年7月6日 | カテゴリ:『アメリカ経済』>ホワイトハウス関連文書

この記事では、ブッシュ政権のエネルギーと環境問題に対する政策を理解する上で一助となるように、毎日新聞社刊 『米国経済白書 2009』(週間エコノミスト臨時増刊号)の「第3章 エネルギーと環境」で解説されている内容に沿って、その要約と補足説明を試みています。オバマ政権の「再生・再投資法」に盛り込まれているエネルギー・環境政策については、「付録」でその概要に触れています。内容については、以下のPDFファイルを参照してください。

『米国経済白書 2009』「第3章 エネルギーと環境」の補足説明

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用語解説
凡例
  1. 用語説明の最後には、参照したサイトのURLを掲載してあります。
  2. 用語は本文の初出順に並んでいます。
  3. 見出し末尾にある表示(09-182[201])は、この用語が、2009年翻訳版の182頁、原書版の201頁にあることを示しています。
  • criteria pollutants:基準汚染物質 [環境汚染の元となる基本的な汚染物質。粒状物質(PM)、オゾン、窒素酸化物(NOx)、二酸化硫黄(SO2)、一酸化炭素(CO)と鉛を含む](09-[99])
  • light-duty vehicle:軽量自動車 [重量8,500 lbs(3.859ton)未満の軽量自動車の総称。乗用車、軽トラック、オートバイを含む。](09-104[107])
    参考サイト:DICTIONARY OF AUTOMOTIVE TERMS

  • renewable energy production tax credit (PTC):再生可能エネルギー生産税額控除 [1992年エネルギー政策法によって初めて法制化された。最初は、風力とバイオマスの発電だけに認められ、プロジェクト実施から10年間、これらのエネルギー源によって生産された電力に対して1kWh当たり1.9セントの税額控除が与えられた。2005年エネルギー政策法(Energy Policy Act of 2005)によって、この優遇措置は、地熱、埋立地ガス、小規模灌漑、ゴミ燃焼設備等で発電する電力にも拡大され、2007年までに延長された。この減税措置はオバマ政権の再生・再投資法にも受け継がれている](09-109[104])
    参考サイト:
    Using the Federal Production Tax Credit to Build a Durable Market for Wind Power in the United States

  • Solar Investment Tax Credit (ITC):太陽エネルギー投資税額控除 [太陽エネルギー利用装置(太陽電池、太陽熱温水器)を設置した企業及び住宅所有者にシステム費用+設置費用の30%を税額控除するという代替エネルギー促進策。この税額控除は、1978年に導入され、最初は15%の税額控除であった。住宅所有者に対する上限規制が設けられていた(最高$2000)。この控除は、1987年に10%に減少したが、2005エネルギー政策法で、30%に引き上げられた。2008年緊急経済安定化法でこの優遇税制は、8年間延長され、住宅所有者に対する上限規制も廃止された。この優遇措置はオバマ政権の再生・再投資法にも受け継がれている。](09-110[104])
    参考サイト:
    Solar Energy Industries Association:The Investment Tax Credit (ITC)

  • Corporate Average Fuel Economy (CAFE):企業平均燃費 [1ガロン当りの平均走行マイル(miles per gallon:mpg)であらわされる。新車の燃料効率規制に使用される](09-112[110])
  • Corporate Average Fuel Economy (CAFE) credit:企業平均燃費クレジット [フレックス燃料車に対して企業平均燃費基準遵守を軽減する措置 。例えば、企業燃費基準が30mpgの場合には、フレックス車(E85)の燃費規制は、30÷0.15=6.7mpgに緩和される](09-112[107])
    参考サイト:
    米国における軽量自動車の技術と燃費の動向
    NHTSA: CAFE Overview – Frequently Asked Questions

  • Renewable Fuels Standard (RFS):再生可能燃料使用基準 [2005 年エネルギー政策法で定められた使用基準で、自動車用燃料に含まれる再生可能燃料(主にエタノール)の使用量を増加させようとするもの。2006 年までに、40億ガロン(約1,500万kl)の使用、その後は段階的に引き上げて2012 年には75億ガロン(約2,800万kl)を使用するように定めている。2007年エネルギー独立安全保障法において、この使用量義務は、2008年の年間90億ガロン、2022年までに段階的に360億ガロンまでに引き上げられることが決定された。また、360億ガロンのうち210億ガロンをトウモロコシ以外の新たなバイオ燃料で賄うことが義務付けられた。](09-113[108])
  • safety valve:安全バルブ(メカニズム)[排出権取引における排出クレジットに予め上限価格を設定しておき、その上限を越えた場合に、政府が排出クレジットを追加発行して、価格の高騰を防ごうとするメカニズム。クレジット価格の上昇を防ぐことができるが、排出枠が増加されるため、排出削減目標を達成できなくなる危険がある](09-114,125[109,122])
  • Vehicle Fuel Economy Mandate:自動車燃費効率化命令 [2007年エネルギー独立安全保障法に基づく行政命令。ガソリン車及びディーゼル車を製造している企業に対して、それが生産する新車に規定の燃費を実現することを義務付けた。具体的には、2020年までに軽車両は平均で35mpg(乗用車=38.5mpg、軽トラック=31.5mpg)を達成すること。クレジット取引(企業間、企業内車種間)、ボローイング(規制遵守を3年間繰り越すことができる)、バンキング(超過達成分を後年に利用することができる)が認められている。クレジットを含めても基準値を達成できない場合には、罰金を払うことになる(0.1mpg当り5ドル×販売台数)](09-114[110])
  • Lighting Efficiency Mandate:照明効率命令 [2014年までに白熱電球の販売を段階的に廃止せよという政令] (09-115[111])
  • Federal Government Operations Mandate:連邦政府運営命令 [連邦政府機関に対して2015年までにその施設のエネルギー利用強度(エネルギー源単位)を03年レベルから30%減少するように要求している](09-115[111])
  • Federal Building Energy Efficiency Performance Standards:連邦政府建物エネルギー効率成果基準 [新しい連邦建物において化石燃料由来のエネルギー消費を30年までに段階的に廃止していこうとするもの](09-116[111])
  • Integrated Coal Gasification Combined Cycle (IGCC):石炭ガス化複合発電 [石炭を高温高圧のガス化炉において可燃性のガスに変換し、これを燃料として発電を行うと共に、そこで生じる高温の排ガスから蒸気を生じさせて蒸気タービンを回すことにより発電を行う高効率複合発電のこと](09-119[115])
  • Carbon Capture and Sequestration (CCS):炭素回収・貯留 [大規模CO2 排出源で発生するCO2 を他のガスから分離・回収し、安定した地層または海洋に隔離・貯蔵すること。温室効果ガスの削減に役立つ] (09-120[116])
  • technology lock-in:技術ロックイン効果 [大気環境の管理要件を満たすための技術への資本投資が莫大になるにつれ、そのストックによってその技術への固定化が促進されること]](09-121[117])
  • multipollutant approach:複数汚染物質削減アプローチ [1汚染物質の削減と効果に基づいて規制政策を立案するのではなく、複数の汚染物質の削減(複数の汚染物質の削減が可能な技術の選択)とそれによる効果(副次効果も含める)に基づいて汚染物質削減の政策を立案しようとするアプローチ(その詳しい効果分析については表-3参照)](09-123[120])
    参考サイト:
    Multi-Pollutant Planning
    Multi-Pollutant Strategy

  • Ozone 8-hr:オゾン濃度の8時間平均値 [大気浄化法によって定められている地上レベルオゾン濃度の環境基準。2004年のルール改正で1時間平均から8時間平均に強化された(0.08PPM以下)。基準未達成の地域を重度(serious)、中度(moderate)、低度(marginal)の範疇に分類し、それぞれに達成期限を義務付けた。本文 図3-4参照] (09-124F[120F])
    参考サイト:
    EPA: 8-Hour Ozone Area Summary
    U.A. EPA: Ground-level Ozone

  • BART sources:BART汚染源 [大気浄化法によって定められている汚染源-1962年と1977年の間に建設され、NOx、SO2、PM、またはVOCのいずれかの汚染物質を年間250トン以上排出する可能性のある排出源を指す。煙霧(haze)規制の対象で、BARTの導入を義務付けられている(BARTルール)。](09-124F[120F])
    参考サイト:
    NECA Environmental Committee Meeting
    STATE IMPLEMENTATION PLANS (SIP)

  • BART:Best Available Retrofit Technology(最良利用可能改良技術)の略 [BARTソースが採用すべき技術としてEPRが指定]
    参考サイト:
    Glossary of Terms, Codes, and Abbreviations(WRAP Technical Support System)

  • greenhouse gas intensity:温室効果ガス排出原単位、温室効果ガス排出強度 [GDP単位当り(固定年換算のドル価値)の温室効果ガスの排出量(CO2重量換算)] (09-127[123])
  • hydrochlorofluorocarbon:ハイドロクロロフルオロカーボン [フロンの一種。オゾン層破壊の原因であることが判明し、国際的に規制されることになったクロロフルオロカーボンの代替フロンとして製造・使用されてきたが、オゾン層破壊の要因となること、及び温室ガス効果があることが判明し、1997年の京都議定書でCO2と並び温室効果ガスとして排出規制対象となった。 ](09-128[125])

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