オバマ政権-雇用増加を持続できるか

2010年11月の非農業有給雇用職は、予測に反して15万人の増加となった。しかし、失業率は9.6%と高いレベルを維持している。1月から5月まで順調に増加傾向を示していた雇用であるが、6月に雇用減少に転じ、9月まで続いていた。10月の雇用増加を維持できるかは、オバマ政権の追加の雇用対策にかかっている。中間選挙での大敗の原因が一向に好転しない雇用情勢にあったことから、オバマ政権は追加の景気対策を更に迫られることになるだろう。
参考資料:最新米国雇用統計

NBER-第11循環のトローフを2009年6月に決定しました

全米経済研究所(NBER)は、米国の戦後景気の第11循環のトローフ(あるいは第12循環の拡大期の始まり)が2009年6月であった、と決定しました。以下のファイルは、この決定の論拠を説明したNBERの論文です。
日本語訳(HTML)
日本語訳(PDF)
英語原文(PDF)
次の記事は、NBER景気循環日付決定委員会が戦後景気循環の画期を決定した際に公表した論文を時系列的に追ったものです。戦後循環を表形式にまとめた資料も同時に掲載されています。
NBER景気循環日付決定委員会の論文

雇用は増加に転じたが、失業率は最低の水準を維持

非農業有給雇用職は、2009年11月に23ヶ月ぶりに増加に転じた。12月に再びマイナスに戻ったものの、2010年1月以降は増加傾向を示している。しかし、失業率は、戦後最低の水準(10%前後)を維持している。これは、就職を諦めていた労働者が労働市場に復帰し始めたからである。こうした労働力を受容するには、更に職の増加が必要である。
参考資料:最新米国雇用統計

オバマ政権-初めての『大統領報告』を発表

2月12日、オバマ政権は、就任以来、初の「大統領経済報告」(Economic Report of the President)を発表しました。この報告書は、経済諮問委員会によって作成され、大統領が経済報告書という形で議会に提出するものです。日本の白書とは違って、経済分析だけではなく、現政権の経済政策についても詳しく述べられています。
次のサイトにて原文PDF版が入手できます。
Economic Report of the President

失業率は大台の10%を突破-10月の雇用情勢

10月6日、米国労働省統計局は、10月の雇用統計を発表した。非農業有給雇用職の減少は19万職に留まったが、失業率は82年以来、10%の大台を突破した。GDPの第3四半期の伸びは、年率換算で3.5%と生産面では回復の兆しを示しているが、雇用情勢は一向に明るさを見せていない。パート職に固定せざるを得ない労働者と休職活動を諦めた労働者を含めれば、失業率は17.5%に昇るという。雇用の減少は既に22ヶ月続いており、6ヶ月以上職に就いていない労働者の数は、560万人に達している。雇用情勢を見る限り、不況の出口はまだまだ遠い先のことである。
参考資料:①最新米国雇用統計、②NPR関連記事:Jobless Rate Highest Since 1983

先の見えない雇用情勢-8月の失業率は26年ぶりの高い値

米国労働統計局は9月4日、8月の雇用情勢を発表した。非農業有給雇用職の減少は、若干改善して、21万6000職に留まった。しかし、失業率は、0.3%ポイント増加して9.7%に上昇し、26年ぶりの高い値になった。失業率の上昇は、一旦労働市場から撤退していた労働者が再び戻ってきたことが原因であると考えられている。潜在的失業者の数は、多量に蓄積されているものと思われるので、失業率の好転には、需要の大きな拡大が必要になってくる。米国では、経済が底を打った、という見解が大半であるが、雇用情勢の好転は全く先が見えない状態である。
参考資料:①最新米国雇用統計、②NPR関連記事:August Unemployment At 26-Year High

雇用は改善の方向か-7月の雇用情勢

米国労働統計局は8月7日、7月の雇用情勢を発表した。非農業有給雇用職の減少は、24万7000職に留まった。失業率は、0.1%ポイント減少して9.4%になった。しかし、問題なのは、依然として高い雇用の減少と失業率がどの程度続くか、ということである。事実、27週間以上失業している労働者の数は、58万4000人増えて500万人に達している。失業率の減少は、長く続く不景気に就職活動を諦めてしまった労働者が多くいるためとも考えられている。企業も需要の増加には短縮していた労働時間の回復や一時労働者の雇用などで対応すると考えられるので、雇用情勢が本当に好転するにはまだ長い時間がかかるであろう。
参考資料:①最新米国雇用統計、②NPR関連記事:Jobless Rate Dips To 9.4 Percent

低迷する雇用状況の長期化が問題-6月の雇用情勢

米国労働省統計局は、7月2日、6月の雇用情勢を発表した。有給雇用職の減少は、46万7000職で前月よりも増加した。失業率は9.5%で増加率は若干低下した。雇用の低迷は長期化の様相を呈しており(既に景気後退期は19ヶ月を越えている)、この長期化による社会状況の不安定化が懸念される。CIAは、低迷する経済が社会不安をもたらすことを懸念して、優秀なエコノミストの採用に躍起になっているそうである。
参考資料:①最新米国雇用統計、②NPR関連記事:Unemployment Up To 9.5 Percent, A 26-Year High、③World Economy Becomes Focus For CIA Recruiting

有給雇用職削減の減速は好転の兆しか?-5月の雇用情勢

米国労働統計局は、6月5日(金)、5月の雇用統計を発表した。これによると非農業有給雇用職の減少は、34万5000人に留まった。とはいえ、リセッションが始まった2007年12月以降、700万人の雇用が喪失し、現在の失業者の数は、1450万人に上っている。失業率は9.4%に上昇した。不況が進行するにつれ、求職活動を諦めた労働者がいることを考慮すると実際の失業率は、16.4%にも上るという。GMの会社更生法に基づくリストラによって、裾野の広い自動車産業の労働者の解雇は更に増加するものと思われる。雇用の増加がプラスに転じて初めて回復軌道に乗ったといえるが、ただこの場合でも回復の速度は、大量失業者と産業構造の転換の難しさを考えると遅々たるものになるであろう。
参考資料:①最新米国雇用統計、②NPR関連記事:Jobless Rate Rises To 9.4 Percent, But Layoffs Slow、③ロイター関連記事:UPDATE1: 5月米雇用者数は08年9月以来の小幅減、失業率は9.4%に悪化